未満児の生活空間を考える
運動場の基準面積以外の限られた敷地に保育所棟を増築し、幼保連携型認定こども園とする事業です。
3階建てとし、さらに2階以上を運動場上にせり出させて保育室の最低基準面積を確保しました。3階建の圧迫感を和らげるため、外壁の隅を丸くして柔らかな表情を持たせたほか、限られた面積を有効に活用するため、壁構造として柱を無くしました。3階建てで内装に不燃規制がかかりましたが、杉の床板や不燃木の壁板を使って、上質で優しい保育空間を実現させています。2250mmの低い天井は、大人が過剰な圧迫感を感じず、こどもたちが落ち着き易い高さです。
離乳食を運ぶ調理室直結のリフト、保育士コーナー、こどもの高さで風を通す地窓、見通しの効く調乳室、身長や手の長さにあわせた手洗い、ハイハイに快適な杉の床板、調光のできる照明など、低年齢児保育をサポートするいくつかの工夫をほどこしました。
幼稚園部分は、内装を全面的に木質化改修し、以前に増してあたたかみ溢れる魅力的な園舎となりました。